本は相変わらずいつも読んでいますが、 久しぶりの読書感想です。韓国生まれ、アメリカ在住のMin Jin Lee作のベストセラーで、 オーストラリアでも話題になっているため読んでみました。 1932年、釜山の近くの島の漁村で下宿を営む家族の話で、 娘のサンジャが裕福でハンサムなハンスに誘惑されて妊娠してしまいます。 妻子がいるため結婚はできないが、 妾として面倒をみてやると言うハンスの申し出を 拒絶したサンジャ。 彼女が困り果てているのを知った 日本へと渡る途中に下宿で病に伏せていた牧師のイサクが 看病をしてもらったお礼にと、サンジャと結婚し、 一緒に大阪へ向かいます。 それからの彼等の運命を辿る物語です。 題のパチンコは、彼等の末裔がパチンコ店を営むようになるため つけられています。 戦前の植民地だった韓国、 そして日本での韓国人・朝鮮人としての暮らしを綴っているわけですから、 もちろん日本人が、彼等を差別し、苦しめるシーンがあります。 それでも歴史的に必要な以上には、日本を悪者扱いはしていないし、 良い人、悪い人は、どちらの民族にもいるというスタンス。 日本で何世代にも渡り暮らして来た人々、 中には自分が韓国人であることを隠す必要があると信じている者、 韓国人であることに誇りを持つ者などと様々な人々が登場します。 一つ残念に思ったのは、この小説の作者・編集者が、 日本語のチェックをしっかりとしなかったことです。 間違っているわけではないけれど、 男性はそんな言い方はしないとか、 戦後の日本では多分使われなかった「マジ?」とか。 日本人は、どうせ読まないと思っていたか、 ベストセラーになるのは想定外だったからでしょうね。 この本を読んだオーストラリア人は、 日本に住む韓国人の歴史を初めて知って、 勉強になったという感想が多いようです。 さて、日本で出版されることはあるのでしょうか?
by starofay
| 2018-06-27 08:26
| 読書
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Comments(4)
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franandtuto at 2018-06-27 23:52
どうなのでしょうか? ベストセラーになったのでしたら出版されるかもしれませんね!
結局、国ではなく個人ですよね 私は若い頃演劇を観るのが好きで その中でも特に つかこうへいさんのフアンだったのです。 つかさんは在日韓国人の方でした ほぼ全ての戯曲やエッセイを読みましたが 出てくる出てくるいろんな言葉が次々と 笑い転げながら舞台や著書を読んでいました 印象的だったのは核戦争を防ぐ可能性があるとしたら 前向きのマゾヒズムだとおっしゃったことでしょうか 4歳の娘さんに語りかけるように書かれた 娘に語る祖国という本で 彼の妻は日本人ですが、一途に彼を想う彼女の瞳の中に祖国を見たと書いています 彼にとって祖国とは国ではなく人であったのでしょう。 上手く感想を纏められませんが 若い頃とても影響を受けた作家の一人です
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starofay at 2018-06-28 11:34
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ターザン
at 2019-03-23 05:26
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全く同感想です。素晴らしい小説ですが 日本語会話の違和感が残念です。
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Yuko
at 2019-07-16 00:02
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今まだ読んでいる途中ですが、読みながら日訳はあるのか興味を持ってググって見たところこちらのサイトを見つけ、読ませていただきました。確かに、so nee、をやたらに文章の終わりに入れ込む、など日本語会話に違和感がありますが、日本語を全く知らない人に異国の雰囲気を醸し出すために、そしてそれをidee fixe的に何回も繰り返して使うことによって最初はその意味がわからない人にもなんとなく意味が読み取れるように、作者が意図的に決めたことだと思います。また、マジ、は私も最初はびっくりしましたが、調べたところ江戸時代から芸人の間では使われたいた様なので、戦後にすでに一般人にまで普及されていたかは疑問でありますが、一応playing by the rulesではないかと思いました。
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