待ちに待っていたルース オゼキさんの新作を読みました。
まず一言、とっても面白かった!
本はたくさん読んできたけれど、
日本の文学について正式に勉強したことがないので
ちょっと違うかもしれませんが、
これは多分、私小説と呼ばれるジャンルに
属する小説だと思われます。
カナダの離島に住むルースという日本人ハーフの作家が
海岸で正体不明のジップロックの袋を
海草の中から拾い上げます。
ごみだと思っていたら、数重の袋に包まれた
日記、手紙、それから時計が出てきます。
日記は、ナオコという自殺を決意したアメリカ育ちの
16歳の日本人の女の子のものでした。
読み進んでいくうちに、ルースの世界と
過去であるはずのナオコの現実が
ルースの夢を通して接点を持つようになる、
いや、それはルースの錯覚なのか?
それとも量子力学では説明がつくものなのか?
禅仏教、座禅、世界の海流と気流、
カラスの種類と生息地、
自殺、いじめ、特攻隊、
日本の現代文化、大正時代の女性、
フランス文学にアメリカのドットコムと
現代の戦争に武器、
間違っていることに対抗する勇気、
インターネット、離島のソサエティー、
その他にもいろいろな話が出てきます。
ドイツ系の夫と日本人の母親を持つルース、
離島に住む彼らの環境と
蒼い山に住む私とドイツ系の夫。
いろんな面で共感を感じた本でした。
多分そのうち和訳版が出版されると思いますよ。
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美味しい〜(by JJ)
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