A Fortunate Life

Fortunate Life

A B Facey/Penguin Australia

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バートの旅―オーストラリアの大地をゆく

アルバート フェイシー/清流出版

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これもオーストラリア人の自伝です。

1894年生まれのフェイシー氏は、芸能人でもなければ
お金持ちのビジネスマンでもない人でした。

学校に通ったことがなく独学で読み書きを習った
彼のこの自伝は、1981年に出版されて
すぐにベストセラーとなったそうです。


父親は若くして死に、母親に見捨てられ
祖母に育てられた子供の頃は家が貧しくて
辺鄙な場所に住んでいたため学校に通えず
わずか8歳の時に家から離れたある農場に住み込みで
働き始めます。

そこで酷い虐待を受け、死にそうになりますが
逃げ出し命からがら祖母の元に帰ります。

それからいろんな農場で住み込みで
働くようになります。

世界第一大戦が始まると
志願してトルコのガリポリで戦い
兄弟二人が戦死、
彼は重症の負傷をして帰国となります。

戦地でオーストラリアの女性達が
ボランティアで手作りした贈り物が届き、
彼にはイブリン・ギブソンという人が作った
靴下が届いたことがあります。

これを受け取る人が幸運に恵まれ、
無事愛する人たちの元へ帰ることができますように。

こんな手紙が付いていました。

そして帰国し入院した彼がある日外出許可を得て
友人と道を歩いていると
部隊の番号が付いている制服を見た女性二人が
知り合いがいると話しかけてきました。

その話しかけてきた女性が偶然にも
靴下を送ってくれたイブリン・ギブソンだったのです。

二人はやがて結婚を約束しますが、
医者達に負傷が原因であと余命2年だと言われます。

イブリンはそれでも結婚しようと言ってくれ、
結婚、7人の子供に恵まれます。

とても幸せな結婚でしたが、
路面電車の運転手をしたり、
その後農業を不況のため失ったり
健康面の問題も生涯を通してあったので
仕事の面では波乱万丈が続きます。

そして長男を世界第二次大戦で失い、
ショックでイブリンは 部分的脳梗塞を患ってしまいます。

それでも彼等は約60年間添い続け、
イブリンは、彼のストーリーを書くように説得。

家族のためだけに書いた思い出が出版され
いずれはハイスクールで教えられるようにもなったのです。


一時は、あまりにも惨い体験のために
神などいないと断言したフェイシー氏のストーリーは
なぜこんなにも愛されるのでしょうか?

彼はどんな状況においても前向きで
働き者で、自分の人生が恵まれていたと語ったからでしょう。


許す、愛、健康、ついている、幸せ

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by starofay | 2017-01-10 08:18 | 読書 | Comments(3)
Commented by でぶら at 2017-01-11 08:02 x
残念ながら、まだ電子書籍化されてないですね。
 Katherine CarlyleもRules of Civilityも読みましたよ。The Cuckoo's Callingは今読んでいます。
これが中々進まないんです。でも頑張ります。次はReckoningでしょうか。
 いつも、良い本を紹介して下さり、ありがとう。
                        でぶら
Commented by starofay at 2017-01-14 05:11
てぶらさん、
この本は、オーストラリアでは結構有名なのですが、電子書籍にはなってないのですね。100年前のオーストラリアで素朴に頑張っている人たちに出会えますよ。
Commented by でぶら at 2017-01-14 14:51 x
 興味深いですね。アマゾンにキンドル化を御願いしました。
  おばあさん達の読書会の本のリストにのっけておきます。
              でぶら
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