Reckoning

Reckoning: A Memoir

Magda Szubanski/Text Publishing Company

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マグダ ツバンスキーと言ってもオーストラリアの人以外で
知っている人はいないと思いますが、

ベイブという映画を覚えていませんか?

1995年の映画で子豚がシープドッグに憧れて
シープ豚になるお話です。

あの映画で、農婦役で出ていた女優・コメディアンです。


本好きの友達が、彼女の自伝がすばらしかったと教えてくれたので
早速図書館で借りてきました。


彼女のイメージは太っているお笑い芸人で、
数年前にゲイであるとカミングアウトしている他
何も知りませんでした。

正直言って彼女の出ているテレビ番組も
ほとんど観たことがなかったし、
好き嫌いと言う以前に興味もなかったのです。
 

ところが、この本、内容が濃くて深くてびっくりしてしまいました。


彼女の父親はポーランド人で、
戦争中のポーランドでレジスタンスのアサシン(暗殺者)として
ドイツ軍を援助したりチクったりする人たちを
何人も射殺したという経歴を持っていました。

戦後スコットランドに渡り、
ポーランドに帰れないとわかると
現地で出会ったマグダの母と結婚しました。

マグダが生まれてから数年後
一家は、父親が働いていた会社から
転勤という形でオーストラリアのメルボルンへ移住します。


彼女は子供の頃から自分に流れるポーランド人の血と
父親の過去に大変な興味を持っていました。

そして初めての海外旅行でポーランドを訪れたり、
独学でポーランド語を習ったり、
父親に何時間も正式にインタビューをして録画を残したり
していました。


ポーランドを出てから一度も親に会うことができなかった父親。

何人もの人を暗殺したという記憶。

戦争中の酷い経験。

そのようなもの全てを心の片隅に追いやって
鍵をかけて考えないよう、感じないように
生きてきた。

父親が忘れたかった過去を
どうしても知りたかった娘。

彼や他のポーランドの親戚の経験を
知る前からその場面を悪夢という形で見てきたマグダ。


その他に彼女がゲイであると自覚し始めた子供時代、
女優・コメディアンとしての仕事、
母親のこと、兄と姉のこと、
母親のアイルランドのルーツ、
ゲイとカミングアウトすることへの恐怖などと
いろいろと興味深いことが満載でした。


読書の醍醐味は、自分の知らない土地や
時代の人たちの営みや息づかいを
垣間見ることができることだと思うのです。

また少しだけ前より世界が広くなったような気がします。




面白い、感謝、許す、愛、ついている





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by starofay | 2017-01-06 10:41 | 読書 | Comments(3)
Commented by sakanatowani at 2017-01-07 08:27 x
本当に、読書の素晴らしさってそういうところだよね。
ポーランド・・・フレスコ画を描きに行くことになって、思いがけず関わり合うことになって、今よりもう少し知りたいなあと思っている国と人たち。ポーランドと聞くと、なんだかアンテナがピクッと反応してしまいます。
封印しないと(したふりをしてこないと)生きてこられなかった人と、知らずにはいられない、自分をどんどんさらけださずには生きられないと感じてその勇気を持った人。
生きるって大変だなあと、今の自分を省みても思ってしまいます。
Commented by tantan_quelle at 2017-01-08 10:28
1月ももう8日になってしまいましたが、明けましておめでとうございます!
今年もよろしくお願い致します。
かおりさんのブログは携帯やパッドで読ませて頂いていたのですが、画面で字を打つのが苦手で後でPCで、と思っている内になかなかPCに向かえず今になってしまいました。

父親の暗く重い過去を知ったのは大人になってからかもしれませんが、子どもの頃から性に対する葛藤を抱えていたのでしょうし、悩みもあったと思いますが、そんな彼女がコメディアンという職業を選んだいきさつに興味があります。

私はまだしばらく日本に居るので日本語でいっぱい読める環境なので図書館を利用しつつたくさんの本に出会いたいです。

お蕎麦は私も打ってみたいと思いつつまだ挑戦できていません。うどんと同じ要領だと思っていましたが卵もいれるのですね!
日本だと簡単に何でも手に入るし私も地元はお蕎麦の産地にも近いのでつい買ってしまいますが、手作りは作る楽しみもありますし食べる時も喜びがありますよね。
今年もかおりさんのお料理やお菓子のアップも楽しみにしています♪
Commented by 森の子 at 2017-01-09 18:09 x
この本読みたい。けど、日本語はないようね。英語で読むのに挑戦・・・・・できるかなあ・・・・・
 違うほかの本を読んでいて、戦時中のね。夜の霧だったかな。「いい人は、みんなかえって来ることはできなかった。」という言葉があったの。いろんなことをあの時代の人たちは、心に秘めたままだったのでしょうね。
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