My year of meats

My Year of Meats: A Novel

Ruth Ozeki / Penguin Books



イヤー・オブ・ミート

ルース・L. オゼキ / アーティストハウス



良かった良かった、日本語版が出版されてます。


大好きなルース・オゼキさんのデビュー作、
My year of meat(肉の一年)を読みました。


アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれたジェーンは、
アメリカ育ちで、非常に背の高い「ハーフ」。


ドキュメンタリー制作が専門のジェーンは
子供に恵まれず離婚した後に、
アメリカの牛肉産業がスポンサーである
一年間に渡り週に一回日本で放映されるドキュメンタリーを
作ることになります。


最初はとても良い仕事を見つけたことに
喜んでいたジェーンですが、
第一作目からプロデューサーである日本の広告代理店からの指示で
番組制作にあたって妥協ばかりしなくてはならないことに
怒りを感じるようになります。

番組のタイトルは、アメリカン・ワイフ(アメリカの妻)。

できるだけ魅力的なアメリカ人の人妻の住む地域や
暮らしの様子を紹介して、最後に
彼女が肉料理を作ってみせるというのが
毎週の番組の構成です。

日本の広告代理店からの要請は、

1 できるだけ中流の魅力的な白人の人妻であること
2 料理は、ビーフがナンバーワン。ごくたまになら他の肉でも良い。

日本から送られて来たディレクターが撮影したものを
日本に送り、出来上がった番組を観て、
ジェーンは呆れてしまいます。


あまりにも手が加えられていて、真実味がなく、
悪趣味に編集されていました。


それでも仕事は仕事と頑張り続けていると、
ディレクターが子牛肉を食べて
抗生物質へのアレルギー反応の発作を起こしたため
ジェーンがディレクターの役をまかされます。


彼女が本当に撮りたいと思っていたドキュメンターを
制作するチャンスがやってきたのです。


彼女が選んだのは、メキシコ移民のファミリーでした。

この番組は、意外に視聴率が高く、
日本の視聴者には好評でしたが、
日本のプロデューサーには不評。

というわけで、プロデューサーを適当にあしらいながら
ジェーンは、自分が作りたい番組を撮り続けるのですが、
やがてアメリカの牛肉産業で
危ない薬品が使われていたことや、
他の恐ろしい事実(餌に含まれているもの等)が
浮かび上がってきます。

(設定としては、1991年の頃)


そしてジェーン自身が妊娠できない理由が
彼女の母親がアメリカで妊娠中に
ドクターに薦められて呑んだ
薬品に関係があるのではないかと考え始めます。


そんなジェーンにも新しい恋人ができ、
まさかの妊娠が発覚するのですが、

肉牛を育てているフィードロットの撮影中に
流産してしまいます。

流産、そして失業したジェーンは、
アメリカの牛肉業界の真実を明るみにする
ドキュメンタリーを作る決心をします。


アメリカの牛肉産業は大変な権力を持っていて、
批判的なことを書くとすぐに起訴されると聞きます。

そんな中、この小説を書いたオゼキ女史は、
大変な勇気を持った人のよう。


それも彼女が現在カナダに在住する理由の一つかもしれません。


オゼキさんも以前ドキュメンタリーメーカーだったらしいので、
多分この小説もいわゆる私小説の
ジャンルに属するのではないかと思います。


彼女の小説には必ず日本人の母とアメリカ人の父が出て来て、
主人公はその二人の間に生まれたハーフです。

彼女は、大人になってから短期間日本に住んだことがあるはずですが、
アメリカも日本も容赦なく悪いとことを
ビシビシと彼女の小説を通して指摘しているようです。

そして、それは彼女が両国をとても愛しているからこそ
できることなのではないかと思いました。



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by starofay | 2015-05-19 18:02 | 読書 | Comments(4)
Commented by Mumちゃん at 2015-05-20 15:45 x
うんうん、いかにも日本のプロデューサーが言いそうなセリフだこと。
Commented by tantan_quelle at 2015-05-20 15:47
とても読んでみたいと感じる本です。
どれぐらいが本当なのか分かりませんが、健康に関する本の中にアメリカの肉についての恐い記載がありました。
私はそんなに肉食ではないのですがたまにステーキなどがっつりお肉が食べたくなることもあります。
こちらのスーパーでもAmerican Beefと書かれて売られているステーキ用のお肉があるのですが恐いしわざわざアメリカから来たお肉を買わなくてもと滅多に食べないので奮発してヨーロッパのBIO(オーガニック)のお肉を買っています。
お肉のこと、主人公の人生や信念、それぞれ気になる本のご紹介ありがとうございます。
Commented by mimi at 2015-05-21 07:51 x
面白そう、翻訳版が有るのですね、探して読んでみたいです。
Commented by sakanatowani at 2015-05-21 08:22 x
そうだね、祖国だけでなく何事でも、本当にきちんと向き合いたい気持ちがないと、いいことも悪いことも言い表せないね。
↓あ〜〜〜〜〜、カマンベールのグリル、おいしいよね〜〜〜〜〜。
そうなのよ〜、その出てくる油の多さにギョッとするのよ〜!
でもおいしいよね〜。(チーズが高い日本ではしなくなっちゃったけど)
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